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なんかアレンが臭い台詞言ってます。
…いいんだよね?天然タラシってこういうことだよね?(何お前
ひらひらと
私の肩に 髪に
舞い落ちる 桃色の花びら
さ く ら
「綺麗…」
風にのって散る花びらを、私はただ眺めていた。
今日は任務が無いからお休み。
休めるのはいいけれど…その分、私はどうやって暇を潰そうかと思い、悩んでいた。
誰かと出かけるにも、出かける場所が思い浮かばなくて…結局一人で暇を潰すことにした。
そういえば、今外には桜が咲いていたはずだ。
そう思った私はすぐに外に出て、桜を眺めることにした。
何もすることがなくて、部屋に出るよりはマシだろう…
舞い散る桜の花びらをただ眺める。
他の人からすればきっと退屈なことだろうけど、私にとってはそうでもない。
寧ろ、綺麗で…ずっと見ていたいくらい。
「…」
私はそっと、掌で桜の花びらを受け止めてみた。
花びら一枚だけでも、十分可憐だ。
一枚あるだけでも、何も無かった私の掌の上が華やかになった気がした。
これほど、桜の花は綺麗なんだなと実感した。
「燐音!こんなところにいたんですね」
「…アレン、さん?」
ふと声をかけられて、後ろを振り向く。
そこには、見覚えのある白髪の男性…アレン・ウォーカー。
いつも通り、優しい微笑を浮かべながら私の隣に立った。
「桜、見てたんですか?」
「はい。綺麗だと思いませんか?こうやって…散り行く桜の花びらって」
「ええ、そうですね…でも」
アレンさんはそう言って笑い、私の方を向いた。
「舞い散る桜の花びらの中に立ってる貴方も綺麗ですよ、燐音」
「―――ッ!?/////」
アレンさんの言葉に、私は吃驚した。
この人は、なんでこう…平気で恥ずかしい事を言えるのだろうか。
私の反応を見たアレンさんは、クスクスと笑い出す…私が恥ずかしがるのを知って、言ってるのだろうか。
「本当に綺麗です…だけど、何だか寂しい気分にもなりますね」
「え?」
「桜の花びらって、簡単に散ってしまうじゃないですか」
アレンさんは寂しそうに微笑んで、私がやったように掌で舞い散る桜の花びらを受け止めた。
思わず私はうっとし見惚れてしまいそうになった…駄目!アレンさんの話を聞かなきゃ…
「その中に立ってる貴方はとても綺麗だ。だから…貴方も、桜の花びらのように、すぐに…儚く散ってしまいそうで」
「アレンさん…わっ!!」
アレンさんは急に、私に抱きついてきた。
急な事で、私の頭の中は混乱している…
アレンさんは更にぎゅっと力を込めて、私の体を抱きしめた。
「…燐音」
「え、はい?」
「貴女は、僕が守ります…だから、散らないで下さい」
アレンさんの言葉に私は思わず赤面した。
ああもう、だからなんでこう簡単に言うのかな…
ラビさんが言ってた「天然タラシ」って…こういう事なのかな…
「…わかりました。」
本当は「そんなに簡単に散る程柔じゃない」と言いたかったけれど…
そんな事を言ったら、アレンさんに悪いと思った。
だから、素直にわかったと答えて…私も抱きしめ返した。